海外で出会った日本の音楽|藤井風とサザンが異国で流れる瞬間

私は海外旅行が好きで、毎年2〜3回はアジアを中心に旅に出ています。旅先では食や景色に感動することが多いですが、意外と印象に残るのが「音楽」です。日本を離れた異国の地で、ふと耳にしたメロディーが日本の曲だったときの驚きと嬉しさは格別です。
タイのGrabで聴いた藤井風「死ぬのがいいわ」
タイを訪れたとき、偶然乗ったGrab(配車アプリのタクシー)での出来事。車内に流れてきたのは藤井風さんの「死ぬのがいいわ」でした。運転手がこちらの反応を見て「好きでしょ?」と声をかけてくれて、思わぬ共通点に心が温かくなったのを覚えています。
その後、運転手は「花束」や「きらり」といった他の曲も流してくれましたが、やはり印象的だったのは「死ぬのがいいわ」。この曲はTikTokやYouTubeを通じて海外でも拡散され、独特の歌詞と中毒性のあるメロディーが“エモーショナルな日本の音楽”として受け入れられたことが、人気の背景にあるようです。SNSで翻訳やカバーがシェアされることで、国境を越えて広がっていったのも特徴でしょう。
日本で日常的に聴いている曲が、異国でも「知っているよ」と親しみを込めて流される瞬間は、特別な感動があります。
フィリピンのナイトマーケットで響いたサザン「TSUNAMI」
また別の旅では、フィリピンのナイトマーケットを歩いていたときのこと。賑やかな屋台の合間から聞こえてきたのは、なんとサザンオールスターズの「TSUNAMI」。しかも現地の人が日本語で歌っていたのです。
「TSUNAMI」はそもそも歌詞が日本語で構成された曲なので、耳にした瞬間に違和感がなく、すっと心に届きました。フィリピンはカラオケ文化が非常に盛んな国で、日本の楽曲も多く取り入れられています。加えて、日本のテレビ番組やカラオケ機器が輸入されている影響もあり、サザンのような有名曲が現地で知られていることは不思議ではありません。
ゆとり世代の自分からすると「TSUNAMI」は一世代上の曲という印象ですが、それでも日本にいるときにふと歌いたくなるような名曲です。(実際に帰国後初めてカラオケで歌いました)
それでも、アジアの熱気あふれるナイトマーケットで、フィリピンの人々が日本語の歌詞を口ずさむ姿を目の当たりにすると、国境を越えて音楽が愛されている実感が湧き、心を打たれる体験になりました。
海外で日本の音楽に出会う楽しみ
海外で出会う日本の音楽は、旅の思い出をより豊かにしてくれる存在です。食や景色と同じように、音楽もまた旅を彩る要素のひとつ。偶然耳にする日本語の歌は、安心感や誇らしさを与えてくれます。
これからの旅先でも、どんな日本の曲と出会えるのか——そんな小さな楽しみを胸に、次の旅行を待ち遠しく感じています。