中小企業診断士の取得費用はいくら?養成課程で約347万円かかった実体験と給付金を解説

はじめに
中小企業診断士を目指すうえで、気になることの一つが資格取得までにかかる費用です。
中小企業診断士には、大きく分けて2つの資格取得ルートがあります。
- 一次試験・二次試験に合格し、実務補習などを経て資格を取得するルート
- 一次試験合格後、登録養成課程などを修了して資格を取得するルート
私は後者の養成課程ルートを選び、中小企業診断士の資格を取得しました。
その結果、資格取得に関連して支出した金額は、合計で約347万円になりました。
金額だけを見ると、かなり大きな投資です。
ただし、私の場合は専門実践教育訓練給付金を利用できたため、実際の負担額を大きく減らすことができました。
今回は、私が実際にかけた費用の内訳に加えて、二次試験ルートとの比較、教育訓練給付金の活用について紹介します。
※本記事の費用は、主に筆者が受験・受講した当時の実績です。現在の受験料、学費、給付制度とは異なる場合があります。制度に関する情報は2026年10月時点の内容を参考にしています。
1. 中小企業診断士の取得費用はどれくらい?
まずは、資格取得にかかる費用の全体像です。
私の実体験をもとに、二次試験ルートと養成課程ルートを比較しました。
| 項目 | 二次試験ルート(想定) | 養成課程ルート(実績) |
|---|---|---|
| 教材費(診断士ゼミナール等) | 約8万円 | 約8万円 |
| iPad・Apple Pencil等 | 約3万円 | 約3万円 |
| レンタルスペース | 約10万円 | 約10万円 |
| 模擬試験受験料 | 約6,000円 | 約6,000円 |
| 一次試験受験料 | 14,500円 | 14,500円 |
| 二次試験受験料 | 17,800円 | 17,800円 |
| 養成課程受験料(3校) | ― | 約7万円 |
| 養成課程費用 | ― | 約300万円 |
| PC購入費 | 約15万円 | 約15万円 |
| 実務補習費用等 | 約15〜20万円 | ― |
| 合計 | 約55〜60万円 | 約347万円 |
※二次試験ルートは「もし私が二次試験に合格していたら」という仮定の試算です。実際に支払った費用ではありません。
※養成課程ルートの二次試験受験料は、申込後に受験しなかったものです。
※実務補習等の費用は当時の想定であり、現在の制度・料金を示すものではありません。
※養成課程費用には、入学金・学費・交通費・諸費用などを含めています。
比較すると、両ルートには大きな費用差があります。
もちろん、二次試験ルートでも予備校に通ったり、何年も受験を続けたりすれば費用は増えます。一方、独学を中心に勉強する場合は、私の試算よりも安く抑えることが可能です。
したがって、この表は一般的な平均費用ではなく、私自身の経験をもとにした比較として見ていただければと思います。
2. 一次試験の勉強にかかった費用
診断士ゼミナールと教材費
私は一次試験対策として、通信講座の「診断士ゼミナール」を利用しました。
受講料に加え、教材を紙で使いたかったため、印刷代にも約2万円をかけています。
合計すると教材関連の費用は約8万円でした。
診断士試験は学習範囲が広いため、教材を増やしすぎないことも大切だと考えています。
私の場合は、一つの講座を中心に繰り返し学習したことが結果につながりました。
関連記事:中小企業診断士試験、私が一発合格できた教材はこれだけだった
iPadや学習用アプリ
学習環境を整えるため、中古のiPadやApple Pencilも購入しました。
- 中古iPad:約2万円
- Apple Pencil:約9,000円
- GoodNotesなどのアプリ:数百円(当時)
紙の教材とデジタル教材を併用したことで、自分に合った学習環境を作れたと感じています。
レンタルスペース
意外に大きかったのが、勉強場所の確保にかかった費用です。
私は自宅では集中しにくいと考え、レンタルスペースを利用していました。
月額約1万円で10か月ほど利用したため、合計約10万円の支出です。
今振り返れば決して安くありません。
しかし、毎日集中して学習する場所を確保できたことは、一次試験合格の大きな要因だったと思います。
勉強場所も資格取得への投資の一つだったと考えています。
3. 試験にかかった費用
私が受験した当時の費用は次のとおりです。
- 一次試験:14,500円
- 二次試験:17,800円
- 模擬試験:約6,000円
- 養成課程の受験料:合計約7万円(3校)
私は二次試験にも申し込んでいましたが、最終的には養成課程の受験に注力したため、実際には受験していません。
養成課程を受験する場合、複数校に出願すると受験料が重なる点にも注意が必要です。
また、学校によっては面接や選考のための交通費が発生することもあります。
受験する学校を増やせば合格の可能性を広げられる一方で、その分だけ負担も増えることになります。
4. 養成課程にかかった費用は約300万円
私の資格取得費用の中で、最も大きかったのが養成課程です。
入学金、学費、交通費、諸費用などを合わせると、約300万円になりました。
養成課程は大学院や認定機関などで行われ、所定の課程を修了することで、二次試験の合格や実務補習に代わる資格取得ルートとなります。
ただし、学校によって期間や学費、授業の実施方法などが異なります。
また、費用だけでなく、通学時間や仕事との両立についても考えなければなりません。
私にとっても約300万円という金額は小さなものではありませんでした。
しかし、養成課程では経営に関する知識を体系的に学ぶだけでなく、実際の企業を対象とした実習や、さまざまなバックグラウンドを持つ受講生との交流を経験できました。
そのため、今では単なる資格取得費用というより、自分自身への投資だったと捉えています。
もちろん、資格を取得することだけが目的であれば、費用面では二次試験ルートの方が合理的なケースも多いでしょう。
どちらのルートが適しているかは、費用だけでなく、学習スタイルや仕事との両立、資格取得後に何を実現したいかによって変わると思います。
関連記事:【中小企業診断士】二次試験と養成課程、どちらを選ぶべき?
5. 専門実践教育訓練給付金で負担を軽減できた
養成課程の費用について考えるうえで、ぜひ知っておきたいのが教育訓練給付金です。
私が通った養成課程は、厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練給付金の対象講座でした。
私自身も必要な条件を満たし、2年間で100万円以上の給付金を受け取ることができました。
約300万円の養成課程費用を考えると、この支援は非常に大きなものでした。
専門実践教育訓練給付金とは?
専門実践教育訓練給付金は、働く人の中長期的なキャリア形成を支援する制度です。
厚生労働大臣が指定する講座を受講し、一定の雇用保険加入期間などの要件を満たした場合に、教育訓練経費の一部が支給されます。
2026年10月時点では、2024年10月1日以降に受講を開始した場合、主に次の仕組みになっています。
| 支給の条件 | 給付率 | 年間上限 |
|---|---|---|
| 所定の受講・支給要件を満たす | 50% | 40万円 |
| 修了後の資格取得・就職等の追加要件を満たす | 70% | 56万円 |
| さらに所定の賃金上昇要件を満たす | 80% | 64万円 |
※70%・80%はそれぞれ追加分を含む合計給付率です。すべてを合算して支給するものではありません。
※2024年9月以前に受講を開始した場合は、最大70%(年間上限56万円)の制度が適用されます。
※対象となる経費や受給条件には細かな規定があるため、必ず公式情報をご確認ください。
参考:厚生労働省「Q&A~専門実践教育訓練給付金~」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000197058.html
すべての養成課程で利用できるわけではない
注意したいのは、中小企業診断士の養成課程であれば、どこでも教育訓練給付金を利用できるわけではないことです。
対象講座として指定されているかどうかは、学校や課程、受講開始時期などによって異なります。
また、指定講座であっても、受講する本人が給付金の支給要件を満たしていなければ受給できません。
私の場合は利用できましたが、これから養成課程を検討する方は、出願前の段階で確認しておくことをおすすめします。
給付金を利用した場合の実質負担額
私の場合、資格取得に関連する支出総額は約347万円でしたが、教育訓練給付金の受給によって、最終的な自己負担は200万円台に抑えることができました。
それでも決して安い金額ではありませんが、給付金を利用できなければ、さらに大きな負担になっていたことは間違いありません。
養成課程を選ぶ際には、学費の金額だけでなく、給付金を差し引いた実質負担額まで考えることが重要だと思います。
6. PC購入費用も忘れてはいけない
私の場合、養成課程に進むにあたって約15万円のPCも購入しました。
養成課程では、授業や実習に加え、資料作成やレポート提出などでPCを頻繁に利用します。
二次試験ルートでも、資格登録に向けた実務補習等でPCが必要になる場面があります。
ただし、すでに十分な性能のPCを所有している場合は、新たに購入する必要はありません。
私は仕事や学習に活用できることも考えて購入しましたが、必ずしもすべての人に15万円の出費が必要というわけではないと思います。
7. 資格取得の費用を抑えるために考えたいこと
これまでの経験を踏まえると、中小企業診断士の資格取得費用を考えるうえで重要なのは、次の3点です。
① 自分に合った取得ルートを選ぶ
費用だけで比較すれば、二次試験ルートの方が安く済む可能性が高いです。
一方で、養成課程では一定期間をかけて体系的に学べることや、人とのつながりを得られることに価値があります。
どちらがよいかは、資格取得までの費用だけでなく、その後のキャリアも含めて考える必要があります。
② 教材や学習環境にメリハリをつける
教材を数多く購入しても、すべてを十分に活用できるとは限りません。
私自身、通信講座を中心に勉強を進めたことで、教材選びに迷う時間を減らすことができました。
一方で、集中できる勉強場所には約10万円をかけています。
すべての費用を削減するのではなく、自分にとって効果のある支出を見極めることが大切だと思います。
③ 利用できる支援制度を確認する
養成課程を検討している場合は、教育訓練給付金の対象講座かどうかを確認する価値があります。
給付金の有無によって、実質的な費用負担が大きく変わることもあるためです。
ただし、給付率や上限額は制度の改正によって変わることがあります。最新情報を確認し、受給できる金額を過大に見積もらないようにしたいところです。
まとめ:中小企業診断士の取得費用は、取得ルートによって大きく変わる
私の経験をもとにすると、中小企業診断士の取得費用は次のようになりました。
- 二次試験ルート:約55〜60万円(筆者の場合の仮定)
- 養成課程ルート:約347万円(筆者の実績)
- 養成課程ルートの給付金受給後:実質200万円台
※これらは筆者個人の実績・試算であり、一般的な相場や2026年現在の料金を示すものではありません。
私は養成課程を選んだことで大きな費用負担がありましたが、その一方で、実務に近い学びや貴重な人脈を得ることができました。
資格取得は一つのゴールですが、その資格を取得するまでにどのような経験を積むかも大切だと思っています。
中小企業診断士を目指している方は、単純な費用の比較だけでなく、自分が何を得たいのか、どのような学び方が合っているのかを含めて検討してみてはいかがでしょうか。
この記事が、これから中小企業診断士を目指す方の参考になれば幸いです。
※本記事は筆者の実体験をもとに作成しています。金額は概算を含みます。試験制度・受験料・養成課程の学費・給付金の支給要件等は変更される可能性があるため、必ず各実施機関や厚生労働省の最新情報をご確認ください。

